このページをご覧になられているということは、近々喜寿のお祝いをされる方々かと存じます。そしてその多くがお父さんお母さんをお祝いしようとしているお子さんやご兄弟、ご親戚かと思います。結婚もされていたり、披露宴やご葬儀などにも出席された経験が多々お有りかと存じますので、マナーや意味についても既にご存知かと思いますが、改めてここで喜寿祝いの熨斗(のし)と水引について学んでいきましょう。
熨斗とは?水引とは?
熨斗(のし)とは?
熨斗(のし)とは、一般的には慶事における贈り物や贈答品に添える飾りになります。紅白の紐の部分ではなく、熨斗紙などを掛けた際、右上のあたりにある飾りの部分を熨斗といいます。
詳しくは → 「熨斗の起源」
水引とは?
水引とは、祝儀袋や不祝儀袋・贈答品の包み紙に掛けられる飾りの紐のことです。出産や入学、卒業、就職祝い等、婚礼以外のお祝い事に用いられる赤白の水引や、結納や結婚祝いに使用される金と銀の水引(赤白と同様の使い方をしている地域もあります)、慶事ごとには、紅白や金銀のおめでたい色をしようします。黒白、紫白、黄銀などは、香典等の仏事に用いられています。
詳しくは → 「水引の起源」
長寿のお祝い「喜寿の熨斗」
喜寿を迎える方へのプレゼントや贈り物に熨斗紙を掛けることにより、「改まった気持ちでお贈りします」という、大切な意思表示になります。
熨斗紙を真上から見た場合、水引を境に上段の部分を「表書き(おもてがき)」といいます。表書きの箇所に「御祝」や「感謝」といった、いわゆるタイトルを書いて贈り物に掛けましょう。
喜寿の場合、下記のように、「喜寿御祝」「祝喜寿」「感謝」の表書きにされる方が多く人気です。
〈喜寿御祝の熨斗〉
〈祝喜寿の熨斗〉
〈感謝の熨斗〉
表書きは基本的に「御祝」「御礼」「寿」「御歳暮」「内祝」など、一般的な表書きを記載しますが、最近では「ありがとう」や「いつも笑顔で」など、少し砕けたメッセージカードのような使い方をされる方もいらっしゃいます。特に喜寿のお祝いなどは親族のみで行うことが多いため、身内で執り行う観点から、「気持ちが伝わる」「相手に喜んでもらえる」よう、工夫される方が増えてきたという現れでしょう。
喜寿祝いの水引
贈答品に掛ける紙紐のことを「水引(みずひき)」といいます。水引には大きく分けると「蝶結び」と「結び切り」の二種類があります。この二種類の水引は大きく意味が異なりますので、使う時には注意しなければなりません。
詳しくは → 「水引の種類」
〈蝶結び(花結び)〉
「蝶結び」(花結び)は、何度もほどいたり結んだり結び直しが出来ることから、
「何度あっても良い事」として使用します。
〈結び切り(本結び)〉
「結び切り」(本結び)は、一度だけで繰り返さないという意味を込め、
二度とほどけないほど固く結び、「何度もあってはいけない事」として使用します。
喜寿祝いは一生に一度しかないお祝いのため、まれに「結び切り」と勘違いをされてしまう方もいらっしゃいますが、長寿のお祝いは「蝶結び」が正しい水引です。77歳であるお誕生日のお祝いでもあり、今後も「古希」「喜寿」「傘寿」「米寿」と長寿のお祝いは続きます。ずっと長生きしてほしいと願いを込めて「蝶結び」(花結び)を使用しましょう。